ミシマ青空通信

ミシマ青空通信 №54

202110№54.JPG 七十二候の一つで、『しもはじめてふると読みます。霜降(そうこう)』の初候で10/2310/27頃に当たります。先月のに続き、今月はです。霜はふつう降りると言いますが、中国から入ってきた降るという言い方の他に、万葉集には置くという表現も見られます。霜が降りる条件は、先月の露が降りる条件とほぼ同じで、さらに気温が4℃以下という条件が加わります。早霜(はやじも)は、時に農作物に被害を与えることもありますが、冬が近いことを知らせてくれる自然からのお便りでもあります。

 

100代内閣総理大臣に岸田文雄氏が任命されました。座右の銘は春風接人(しゅんぷうせつじん)』。幕末の儒学者佐藤一斎が残した言葉です。佐久間象山や渡邊崋山らの師であり、勝海舟や吉田松陰にも影響を与えた方で、言葉は秋霜自粛(しゅうそうじしゅく)』と続きます。春風のようにさわやかに温かく他人に接し、自分には秋の霜のように厳しく慎みの心を持つという意味です。特技が、人の話をよく聞くこと と自認する岸田氏にとっては、最もふさわしい言葉かもしれません。菅首相の、特にコロナ対策における説明不足が問題になっていただけに、国民の声に積極的に耳を傾けるという姿勢は、大いに歓迎されることでしょう。佐藤一斎の重職心得箇条(じゅうしょくこころえかじょう)という十七箇条の心得書きにも、部下の意見を良く聞き、尊重することの大切さが説かれています。重職心得箇条は、現代におきましても、人の上に立つ立場の多くの人たちにとって、重要な指針となっています。岸田文雄首相は、就任後わずか10日で解散を発表しました。コロナの今後も見通せない中、社会経済活動の正常化に向けた有効な施策はあるのでしょうか。総選挙後の動向に注目です。

 八百屋さんの店先に大好きな栗が並んでいました。その中に、天然の小粒な山栗柴栗(シバグリ)』を発見。ギュッと甘みが凝縮していておいしく、栗ご飯に最高です。子供の頃、山で栗拾いをした記憶がよみがえります。日本では縄文時代から重要な主食だった「栗」。可食部分が全体のおよそ八割で、二割ほどに過ぎない貝類に比べ、効率の良いエネルギー源です。デンプンの他、抗酸化作用の強いタンニンやビタミン類も豊富に含まれていて、主食の座を米に奪われた後も、ホクホクとして滋味のある味は人々から愛され続けています。この夏世界遺産に登録された北海道・ 北東北の縄文文化遺跡群の三内丸山遺跡からは、人が栗林を管理し、実が大型化していった事が分かりました。また、鎌倉時代の栗林は屋敷と同等の財産とみなされました。さらに、栗の木材は腐りにくく丈夫なことから、建築用材としても重宝されてきました。このように永く日本人とかかわりのある栗、今晩の食卓にいかがでしょうか。

                            首都圏営業部  新井山 勲

2021,10,13