ミシマ青空通信

ミシマ青空通信 №39

202007№39.JPG 七十二候の一つで、たかすなわちわざをならうと読みます。小暑の末候で 7/177/21頃に当たります。56月にかけて孵化した鷹のヒナが、飛び方と獲物の捕り方を練習する時季です。繊細で高い知能を持つ鷹は、狩りの能力も高いことから、鉄砲などの無い時代、人間がその能力を活用しようとしたのもうなずけます。鷹狩りの歴史は古く、4,000年以上前の中央アジアで始まり、日本書紀によれば、日本には西暦355年に伝わり、群馬県太田市のオクマン山古墳からは、鷹匠埴輪(たかじょうはにわ)も出土しています。鷹匠は、古技保存の目的から、明治時代から戦後まで宮内庁に所属していて、近年は女性の活躍も見られるようです。

 

 新型コロナウイルスが感染拡大する中、疫病よけの言い伝えがある妖怪アマビエが脚光を浴びています。そのイラストは、厚生労働省が配信する新型コロナウイルス接触確認アプリココアの起動画面にも使用されている他、ステッカーやTシャツ・お菓子など、さまざまな商品に利用されていて、その鳥のような魚のような、どことなく愛らしい姿が人気を呼んでいます。今回の流行は、妖怪掛け軸専門店「大蛇堂」がSNSへ投稿したことがきっかけですが、オリジナルは、京都大学附属図書館に収蔵されている江戸時代後期の瓦版です。その瓦版には、肥後国(熊本県)の海中に、毎夜光るものが出るので役人が視察に行ったところアマビエが現れ、「病気が流行したら私の姿を写して人々に見せなさい。」と告げて海中に消えた。という内容の記事と、役人が江戸へ報告したというアマビエの写しが載っています。ところが、アマビエの記録はこの瓦版一点のみで、他には確認されていないことから、似たような内容で全国に複数の記録が残るアマビコ(海彦)の誤りではないか、とも言われています。この他にも、女性の顔に竜の体、剣の尾を持つ「神社姫(じんじゃひめ)」や人の顔を持つ牛の妖怪「件(くだん)」などもあるようです。

これらアマビエなどの活躍も期待しつつ、暑さ対策も含め、今後も気を引き締めて慎重に行動するよう、あらためて心掛けましょう。

 

                     首都圏営業部  新井山 勲

2020,07,13