ミシマ青空通信

ミシマ青空通信 №42

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七十二候の一つで、きりぎりすとにありと読みます。寒露の末候で 10/1810/22頃に当たります。昔は蟋蟀(コオロギ)をキリギリスと呼び、秋鳴く虫の総称でした。虫の鳴き声が戸口で聞こえる頃です。ここに登場するコオロギは、ツヅレサセコオロギ(綴れ刺せ蟋蟀)という種類で、ツヅレサセとは、鳴き声が「肩刺せ、裾刺せ、綴れ刺せ」と昔の人には聞こえたとのことで、「肩や裾や綴れを今のうちに刺せ(繕って)」ととらえて、冬に向かっての冬支度の一つとして、衣類の手入れをするよう虫たちが促しているように思ったことに由来するそうです。



 916日に菅内閣が発足し、まもなくひと月になります。菅首相は官房長官時代から、「記者会見での失言がない。面白味はないかもしれないが、絶大な安定感がある。また、各省庁から上がってくる情報をうのみにせず、自分が得た独自の情報を持って官僚らに対峙する。そこが大きな強みになっている。」などと言われ、首相就任後も、「デリケートな政治問題は一般的にできるだけ避けたいところを菅首相はあえて取り上げる。」などの評価もあるようです。執行部隊がトップに繰り上がった感のある菅政権は、これまでのところ様々な政策を矢継ぎ早に打ち出しており、今後のさらなる活動が期待できそうです。

このような新政策のひとつにデジタル庁創設があります。コロナ危機の中、政府の情報システムや産業のIT化の遅れが表面化したこともあり、その必要性は急務とも言えますが、その結果、携帯電話料金問題や印鑑廃止を含む各種行政手続きのデジタル化など、私たちの生活に直結する事柄も急速な変化を強いられそうです。私たちの周りには未だにスマホ難民が少なからず見受けられるようですが、これからの時代、デジタル難民として取り残されないよう、真剣に考えて対処すべき時が来たのかもしれません。

 ここ数年、不漁が続いている秋の味覚サンマですが、10日朝、宮城県気仙沼港でようやく初水揚げがありました。記録が残る1974年以降で最も遅いそうですが、水揚げ量は昨年を大きく上回ったようです。さらに、北海道根室市花咲港でも大量水揚げがありました。しかしながら、国立の研究機関「水産研究・教育機構」の調査によると、日本周辺に来るサンマの量は去年を下回り、「極めて低調に推移する」との予測で、今年は、量も少なく、取れる時期も遅く、小ぶりなサンマが多いということです。落語「目黒のサンマ」の世界は、ますます遠い過去のものになってしまいそうですね。

 

                  首都圏営業部  新井山 勲

2020,10,12