ミシマ青空通信

ミシマ青空通信 №47

202103№47.JPG  七十二候の一つで、『すずめはじめてすくうと読みます。春分の初候で 3/203/24頃に当たり、雀が巣を作り始める頃です。雀は、古くから日本人にとって最も身近な存在の鳥で、民話や童謡、俳句などに数多く登場してきました。かつては収穫期を迎えた稲穂を食べる害鳥とみなされていましたが、実は雀は雑食性で、特に繁殖期の春から夏にかけては、稲についた虫なども捕獲して雛に与えるそうです。

近年、雀の数がだいぶ減ってきたようですが、にぎやかな早朝のさえずりは、永遠に残しておきたいものの一つです。

 

 

 2011311日に発生した東日本大震災から10年目を迎えました。

震災で犠牲となられた多くの方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様の一日も早い復興と被災地の発展を心より祈念申しあげます。

 新型コロナウイルスの登場から1年が経ちました。感染予防対策が進展した結果、東京都を中心とした非常事態宣言の再発令後も大幅な外出自粛には至っていないようです。また、ワクチンの接種が開始される一方、3種の変異ウイルス感染がひそかに拡大しつつあるとの報道もあり、何となく先の見えない不安な状況が続いています。

 このような中、7月には東京オリンピックが開催される予定です。開催には未だ不透明な要素も残りますが、開会式をひとつの期限として、とりあえずは無事開催を目標に、全力でウイルス対策が進められるものと思われます。ただ、海外からの一般観客の受け入れを見送る方針を固めたことは非常に残念です。現状から判断すれば止むを得ませんが、日本の魅力を、多くの外国の方々に体験していただく機会が失われてしまいました。最近は特に、日本をこよなく愛するという外国人が増えてきているように見受けられます。過去にも、19世紀後半のヨーロッパで日本美術が注目され、ジャポニズムと称するそのブームはゴッホやモネをはじめとする多くの芸術家に多大な影響を与えました。そのジャポニズムの原点を理解しようと、あるマグナム・フォトの写真家が来日しました。彼の目に映った、働く日本人についての感想が印象的です。

 日本人は、競争のためではなく、皆が高い基準を設定して挑戦し、何かの職に就けば、一途に自分自身の全てをかけて仕事をし、どんどん高いところを目指して、迷わず振り返らずに登って行く。

正に、私達が目指すべきもの、私達が受け継いできたはずの、日本人としての気質の大切さを再認識させる言葉のように思います。なお、この写真家の作品は、現在、東京都営交通の電車内の映像で紹介されています。興味のある方は、ホームページからご覧ください。 https://project-toei.jp/photo/

                     

                    首都圏営業部  新井山 勲

2021,03,12